子どもが毎朝ぐずぐずして起きて来なくて、起こすのもイライラします!!
毎朝ギリギリの時間まで寝て、学校に遅刻しないかと不安です・・
子どもが授業中に寝ている、集中できていないと先生から言われ、生活を改善させたいです。
家庭での生活習慣が乱れ、学校では授業に集中できない・・
こんな子ども達がとても増えています。
中学校で学年主任を務める私の元にも、これらの親御さんの悩みが寄せられています。
これは私の体感ですが、コロナ禍での休校期間によって子ども達の生活リズムが崩れやすくなったと感じています。
毎日の生活リズムや週5日登校の曜日感覚など、「やっぱり子どもにとって学校って大切なんだなあ」と感じるこの頃です。
・子どもはなぜ朝起きられないのか?
・朝起きることが苦手な子どもの生活習慣を整える方法はないのか?
朝は家族みんなが忙しく、特にお母さんにとっては一分一秒を大切にしたい時間帯ですよね。
毎朝子どもと格闘しているお母さんの負担が少しでも減らせるように、学年主任の私からアドバイスします!
子どもが朝起きられない原因とは
以前から、「子ども達の生活習慣の乱れ」は、「子どもたちの学習意欲、体力、気力の低下の要因の一つである」と言われています。
子どもの生活習慣が乱れることが、子ども自身を苦しめています。
生活習慣の乱れには、様々な原因があります。
「早寝早起き」ではなく「遅寝遅起き」
「早寝早起き」という言葉がありますが、「早起き」は「早寝」から来ると言われます。
「早寝」することが何よりも大切なのです。
しかし最近は、「遅寝遅起き」が増えて来ています。
「遅起き」は”朝起きられない”ことです。
“朝起きられない”原因は、「遅寝」であることです。
もう少し細かく見ていきましょう。
夜寝る直前までスマホやゲームを見ている
「早寝」するためには、夜に質のよい睡眠をとれるように行動する必要があります。
睡眠中は、体をリラックスさせる「副交感神経」が優位になっていることが重要です。
しかし寝る直前まで、スマホやゲームをしていると、それらの機器から出ているブルーライトを体が浴び、体を活動的にするための「交感神経」が優位になり、睡眠の質が低下します。
スマホやゲームだけでなく、パソコンやテレビも同じです。
最近は特に、布団の中にまで持ち込めるスマホやゲームが、多くの人の睡眠の質を下げていると言えます。
「交感神経」と「副交感神経」をあわせて「自律神経」という。
自律神経のバランスが崩れてしまうと心身ともに悪影響が起こる。
したがって、睡眠中はきちんと「副交感神経」が優位になっていることが大切!
夕食をとる時間が遅い
「遅寝」になる原因として、夕食の時間が遅いことも挙げられます。
両親が共働きであったり、ひとり親であったりして夕食の時間が遅くなってしまうことがあります。
また、子どもが塾や習い事で夜遅く帰宅し、それから夕食を食べたり、習い事の前に夕食を食べていたとしても、帰宅後余分に夜食を食べたりするパターンもあります。
寝る直前に食事をとらないことが大切!
基本的に夕食は寝る3時間前までに。
無理な場合は、夕方早い時刻と遅い時刻の2回に分けて食べる”分食”を。
SNSによるストレス
子どもたちのコミュニケーションは、学校外でSNSによっても行われています。
いつでもどこでも友達と繋がることができることがSNSの強みですが、それをストレスと感じてしまうこともあります。
学校での人間関係は、子どもにとって楽しいものであり、場合によっては辛いものになることもあります。
大人でも、SNSは便利だけれども、SNSに縛られて”家でも友達とコミュニケーションを取り続けないといけない”と思うと億劫になりますよね。
子どもたちは帰宅後も、SNSによって友達からの期待に答えられるように気を張っていて、一日中、心休まることがありません。
生活リズムが崩れると起こること
“朝起きられない”子どもは、”夜早く寝れていない”ことがほとんどです。
“早寝早起き”ではなく”遅寝遅起き”の場合、次のような不具合が起こります。
・朝、自然と目が覚めない。
・朝食を食べなくなる。
・排便が不規則になる。
・何となく体調が悪くなったり、頭痛、腹痛、めまいなどの症状が出たりする。
・日中の学習や運動に身が入らない。
子どもよりも大人の方が生活が自由なため、生活リズムが崩れやすいとも言えます。
親御さんの中にも、生活リズムを崩してしまった経験がある方も多いと思います。
私も20代の若い頃はそうでしたが、生活リズムが崩れると”何となくしんどい”と感じ、色んなことに対してやる気がなくなってしまいます。
“規則正しい生活を送ること”は、”早寝早起き”することです。
“早寝早起き”が子どもの生活すべてを決定づけていると言っても過言ではありません。
生活習慣を整える4つの方法
では、”早寝早起き”をするためには何をすればいいのでしょうか?
“早寝早起き”のためには、朝から規則正しく生活することです!
1. 起きたら日光を浴び、朝食をとる
2. 昼は活動する
3. 夜はお風呂につかる
4. 寝る1時間前からスマホ等を使用せず、照明を暗くしていく
これら4つのことを実践してみましょう。
起きたら日光を浴び、朝食をとる
毎朝、人は起きて朝日を浴び、食事をとることで体内時計をリセットします。
朝食をしっかりと食べることで体内時計をリセットし、身体のリズムも整います。
身体のリズムが整うと、自律神経も上手く調整できるようになります。
自律神経の調整が上手くいくと、早寝に繋がり、質の良い睡眠と、朝の目覚めの良さを手に入れることができます。
子どもの生活リズムが崩れているときは、まずはお母さんが「カーテンを開ける」ことをしてあげてください。
“朝食をしばらくとっていない”というお子さんに対しては、まずは毎朝「ヨーグルトだけは食べる」や「バナナだけは食べる」など、食べる量は少なくても「朝何かを食べる」ことから始めてみてください。
「朝何かを食べる」ことに慣れてきたら、徐々に適正な量をとるようにしていきましょう。
昼は活動する
夜に”早寝”するために、昼のうちに脳も身体も活動させて、疲れておく必要があります。
学校で勉強することや運動することで、子どもたちは適度に疲れます。
学校以外でも、習い事や友達と遊ぶことで身体を動かすことができます。
子どもが学校で規則正しく授業を受けたり、学校以外の活動に意欲的に取り組んだりすることが大切です。
そのためには、子どもたちの活動意欲を落とさないことです。
これらがすべて”早寝”に繋がります。
子どもに活動意欲がない場合、家でストレッチをしたり、好きなこと(例えば絵を描く、読書をする)をしたり、散歩をしたり、ペットと戯れたりでも構いません。
子どもが自分で”やろうかな”と思えることをさせてみてください。
その時に、お母さんも一緒にしたり、しながら喋ったりすることをオススメします。
夜はお風呂につかる
一日の疲れは、お風呂でしっかりととりましょう。
お風呂では必ず湯船につかって身体を温め、血流を良くして、心身をリラックスさせましょう。
38~40℃のぬるめのお湯でリラックスできると言われています。
42℃以上の温度になると交感神経が刺激されてしまうため、”ぬるめ”がオススメです。
お風呂は”早寝”の準備段階です。
お風呂で温めた身体の体温が冷めてきたときに、布団に入っていると質の良い睡眠に繋がります。
これらの知識を子どもに知らせることも大切ですので、是非ともお母さんから教えてあげてください。
寝る1時間前からスマホ等を使用せず、照明を暗くしていく
お風呂に入った時から、”早寝”への準備は始まっています。
それ以降は、良い睡眠の妨げになるものはしないようにしましょう。
眠る直前のスマホやゲーム等は、良い睡眠の大敵です。
ブルーライトによって交感神経を刺激したり、SNSでストレスを感じたりしないように、スマホやゲームからは距離をとりましょう。
次のようなルールを家庭で決めることをおすすめします。
・スマホやゲーム機の夜の置き場所を決める。
・スマホやゲームをする時間「何時まで」や「何時間」を決める。
子どもの部屋にスマホやゲーム機があると、どうしても触ってしまいます。大人でもそうですよね・・・(^^;
物理的に距離をおいて、子どもの質の良い睡眠を支えてあげてください。
あとは部屋を暗くして”早寝”を待つようにお子さんに教えてあげましょう!
親子で生活習慣の改善に取り組もう!
いかがでしたでしょうか?
生活習慣の乱れは、朝が不調になり、心も身体も疲れてしまい、不登校や引きこもりに繋がる可能性がもあります。
しかし、生活習慣の乱れは、大人もかつては”してしまっていたこと”ではないでしょうか?
その失敗を反省し「規則正しい生活をしよう!」と思い、私達大人は今、生活習慣を整えられています。
SNSによるコミュニケーションの拡大や、コロナ禍による生活変化によって、子どもたちの生活リズムが崩れやすくなっています。
私達大人が生活習慣を改善できたように、子どもたちも正しい知識と家族の協力があれば、必ず改善できます。
SNSやコロナ禍による生活変化は、子どもだけではどうしようもないことです。
お母さんが「子どもが生活リズムを崩すのは当然だ」ぐらいの気持ちで子どもと接し、上の4つのことを子どもと一緒に取り組んでみてください。
親御さんの理解と協力で、きっとお子さんの生活習慣は改善していきます。